論壇に載らなかった原稿

納得いかない憲法九十六条改正

高校で政治経済を習った。それは勉強の一つで実生活と
は無縁だった。社会人になってその存在に気づいた。

自民党改憲を狙っていたが、平和憲法を護る国民の声
も多かった。

最初の安部政権の際それは浮上して国民投票の基準を作
ってしまった。

花巻で憲法九条を護る学習会で東大教授の小森陽一氏を
招いた。

憲法を護るのは国民ですか、国ですか?と尋ねられた。
私は国民に手を挙げた。

そうでは無いと言う。憲法の内容は国民の権利を保障す
るもので、

国はそれを護る義務があるのです、と丁寧に話してくれ
た。

確かにこれまで直面した思想信条の自由や政教分離、労
働者の権利等憲法を根拠に改善してきたが、

いつも「公正に選挙された国会議員、内閣、国家公務員
憲法を尊重し擁護する義務を負う」の文言がひっかか
っていた。

九条は戦争放棄、軍隊を持たない等記しているのに実態
はそうなっていない。

だから「国民は不断の努力を」とあり、自然、憲法を護
るのは国民と思いこんでいた。

折に触れ憲法を読んだ。失明後も点字で読んだ。

そうして生活に生かしてきた。

が、憲法の日本国における立ち位置にはきずかなかった。

権力が暴走しないように国民の権利を護らせるのが大切
だとわかった。

二度目の安部政権は突然敬い擁護する立場を一変させた。

九十六条を変えるには両議院の三分の二の賛成が必要を
、二分の一に変えるという。

そんなーと思い、情報を集めた。

護憲派改憲派の学者はそれに反対を表明していた。

理由は国民の権利が沢山詰まっている憲法を、簡単に権
力が変えられないように特別な条項だ。九条とは次元が
違う、いわば「重し」なのだと断言している。

三分の二の基準は、他国も同様という。

アメリカは三分の二を護り通している。

リンカーンは三分の二を貫いて、

奴隷解放を実現させたという。

民主主義の歴史を有する欧州諸国は当然基準は高い。

血と汗で獲得した憲法の下、選挙で改善を図って今に至
っている。

中南米諸国も軍事体制を止めて、民主的な選挙で国の方
針を決めた憲法を維持している。

九十六条を変える目的は権力者が軍事産業でもっと利益
を拡張したいのだろう。

日本国は立憲国家なのだから、それを崩す暴挙を許して
はいけないと確信が持てた。

これで、憲法を味方に、


障害者運動や社会保障切リ捨て策等の課題に取り組む決
意が固まった。

小田嶋保子 64歳  無職

郵 025−0068  花巻市下幅4−10  電 
 0198−24−5213