ばん茶せん茶への投稿です
早朝散歩
冬場に体調を崩し、歩かなくなって久しかった。国も薦める老化防止に早朝散歩を白杖を使って再開した。
早朝ウオーキングをしている高齢者とよく出会う。
お互いに挨拶し合い、「気をつけて」と声をかけてもくれるのは楽しい。
早起きマラソンの子供たちとも「おはようございます」と挨拶を交わすこともあり、嬉しくなる。
全盲の私でもたまにはコースを変えたくなる。
明日はどのコースにしようか考えると、胸がわくわくする。
市街地のどこにでも点字ブロックがある訳ではない。
白杖が道路の脇に触れさえすれば、どこへでも行ける。
助かるのは、側溝にふたがある箇所だ。
点字ブロックに触れると、安心して歩ける、という訳でもない。
途中で切れたり、ずれたりしていると迷って、探しているうちに車道に出ることもある。
点字ブロックが無い道路では側溝のふたの上を歩く。
すると、車との距離も分かり、点じブロック同様安心だ。
駐車場や何の目印も無い箇所が、一番困る。
単独歩行はよく迷う。
その日の体調、天気、障害物などで感が狂うからだ。
それに築かず、側溝にふたが無い所で突然脚が宙に浮き、体ごと側溝に倒れ落ちる。
落ちたら痛い、いつ落ちるのか分からないので怖い。だから緊張して歩く。
そんなにしてまでも、見えない者が、どうして早朝散歩をするのだろうかといぶかるむきもあるだろう。
歩行訓練を受け、街がある程度整備されれば、例えば、聞き取れる音声信号、交差点や路地を真っ直ぐ渡れる印
などがあり、基本を守れば、単独歩行は可能となる。
一人で歩く楽しさを味わいたい、筋肉の衰えを防ぎ、人並みに体力を付けたいと願うからだ。
寝たきりにならないためにも、続けたいと思う。例え全盲でも。
朝のすがすがしい空気、小鳥たちのさえずりを耳にし、一日の始まりの扉を開きたい。
これは、全盲社には、贅沢なのだろうか?
小田嶋保子 64歳 無職
郵 025−0068 花巻市下幅4−10
電 0198−24−5213