花巻の年金者組合の機関誌「花の輪」に寄せた原稿です。

お食事会

小田嶋 保子

 孫娘が高校を卒業しM大学に合格した。工藤医院で産まれたばかりの彼女を腕にす
っぽり抱いたのはつい昨日のようだ。
それから早や18ねん。あっという間に時が過ぎていった。産まれた時から障害を
持つ兄がいたけれど、娘夫婦は二人の子供達を分け隔てなく育てた。だから彼女はひ
がむことなく、また義務感ででもなく全く自然に兄と接し、今やあねのような存在となっている。
幼い頃、オムツを取りに走る彼女の愛らしい姿が目に浮かぶ。それが今では、大きく成長した兄を組し抱いてで
ももくてきの場所に連れて行く。兄もされるがままに連れ去られている。全く良くできた兄妹になったと思う。
そこには、娘たちの並々ならぬ努力と苦労があったことだろう。
せめても、二人の子どもを娘が我が家(実家)で出産し、産前産後をきがねする事無くのんびりと過ごさせえたこ
とは、親と
してのささやかな満足でもある。今は亡き母もその場に居合わせ、ひ孫の面倒を見てくれたことも思い出深い。
娘と孫とひ孫が、我が母にきせずして喜びを抱いてもらえたことで恩返しができたのかもしれない。

母は戦争を体験している。私と娘は体験こそ無いがしっかり戦争の悲惨さと非道を受け継いだ。しかし、次の世
代に生きる孫娘が戦争を体験せずに済むかどうか、怪しい時代になってしまった

ここ数年特に戦争に向かう傾向が著しい。パソコンを駆使して様々な情報を貪欲に取り込んで、国会の審議を見
逃さず、日本の政治の裏表をしっかり見抜くことに全力をつくしている。

これは、紛れもなく孫達に平和な未来を残してやる責務があると実感しているからだ

。久し振りに久慈から訪れた娘一家と合格を祝うお食事会を設けた。その寿司店は、我が家の歴史の要所要所で
関わっている。娘の結婚の際に両親との顔合わせをしたり、勿論孫達は姿も形もまだ無い時だ。折りに触れてそ
の店にお世話になり、孫息子の成人のお祝い、そして孫娘の合格祝いの席となったという訳だ。
母がそうしたように、夫と私は孫娘に入学に必要なスーツ、靴、コート、カバンなど一式をそろえることにして
、それぞれを本人に選んでもらい購入した。私2は見えないけれど、彼女の輝くばかりの笑顔から発せられるピ
ンピンとした波形を感じ取ることができた。
何もかもに満足して和やかなお食事会を終えて、自宅にて、2次会を開催したらしいが、私はそのまま寝込んで
しまい、起こしても起きなかったという。2時間半も盛り上がったそうだけれど寝込んでいた私2はその時の記憶
が全く無い。私はそれでよかったと思う。思いっきりのんで、苦しくも無く夢をみることも無く、ぐっすり眠る
ことなどなくなって久しいのだから。まして、のんだ勢いで、説教めいたことを言ったり、感激のあまり涙した
りしないですんだのはお互いのためでもあった。

さて、楽しかったお食事会をばねにして、孫の成長を人類の視点で見守る大仕事に取り掛かることにしよう。


MLホームページ: http://www.freeml.com/9253

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